ディスカバリー神奈川③・・・丹沢・2019年10月11~12日台風19号の爪痕

丹沢方面に行って驚いたこと。それは昨年(2019年)の10月に東海から関東に襲来して甚大な被害をもたらした台風19号がここ丹沢でも猛威をふるい、深い爪痕を残していたことです。県道や登山道が各所で通行禁止になっていて、今なお復旧していないのです。車で走っていても補修中の道路があちこちにありました。

有名な観光地の箱根でも大きな土砂崩れが複数発生して、線路も流された箱根登山鉄道が今年の7月に全面復旧したことが大きくニュースで取り上げられていました。新型コロナウイルスの蔓延による資材不足なのか、優先順位が下位なのか、丹沢方面までは手が回っていない現状を目の当たりにしました。
台風19号気象庁から「令和元年東日本台風」命名されています。台風では43年振りの命名ということです。ちょっと“おしきせ”感もあるこの名称は記憶にありませんでした。

横浜から行くと国道246号の渋滞にいらつきますが、丹沢方面に向かう県道64号に入った後は道幅が狭くなるも交通量はぐんと少なくなり、快適なドライブを楽しめます。
そんな時に現れるのが「○○方面○○から先通行止め」とか「工事中注意」の標識でした。
「ネットで確認しておいて良かったな」
アラ古希のオッサンは、カーナビと(紙の)地図だけに頼らなかった自分を褒めます(W)

ここから通行止め。人間もNGです

この先に目的地があったのですが、ネット情報通りで通行止めになってました。がっちりバリケード封鎖です。
休日とあって近くの河原は、大型のテントやタープを張ってキャンプを楽しんでいる家族連れや若者のグループで賑わってました。


水を汲もうと川に沿った帰り道で偶然に立ち寄ったのがコチラ。丹沢は名水でも有名な地域です。
ここにも台風19号の深い爪痕がありました。
お手頃の沢に架かる橋を渡ったところで車を駐め、
水タンクを片手に沢に降りて上流を何気なく見上げると、コテージらしき木造の建物を発見。
一見すると廃墟です。

土台が吹っ飛んだ入口の前の木ウッドデッキが大きく傾いて、壁には泥のはねた痕が生々しく残っています。
泥のこびりついた屋根付きの水場が隣にありました。同時に大勢の人が利用することを想定して設置したのか、10個以上も蛇口が並んでいます。

山側を見上げると当初は分からなかったのですが、他にも数棟の同じようなコテージが建っていました。
ただ、そこに行くためにあったであろう小径が見当たらない!コテージは斜面に生えるキノコのように山に溶け込んでいました。
大規模な濁流が、山肌を削っていったことは明白でした。

道路を挟んでその辺り一帯が休業中のキャンプ場だったのです。

反対側の沢の水が注ぎこむ広い河原は無人でした。台風の豪雨で流れてきたのだろうゴツゴツした石で覆われていて、テントを張るのはちょっと難しそうでした。

通行止めで引き返したバリケートの先にもキャンプ場があったことを思い出しました。帰って調べると、そちらもやはり休業中となってました。

それでも一帯の多くのキャンプ場は、台風の被害が少なかったのか、或いは頑張って修復したりして営業しています。
このキャンプ場のように休業せざるを得ないのは、”三密“を回避できるアウトドアのレクリエーションに人気が出ているだけに残念なことです。
来年は何もなかったように営業していることを祈り、水を汲んで帰路につきました。